2006/08/06

キワモノ考

キワモノを語る、キワモノ論を展開しようと思うと、必ず思い出すものがあります。

それは日産自動車が一時狙った「シンフォニーL」戦略です。



それはもう古い話しなので、現在通用することではないでしょう。

この戦略が正しいとか間違っているとかでもありません。
当然、批判するつもりもありません。


が、私が思い浮かべるキワモノ企画失敗例かなと(笑
(その当時=バブルにも、この戦略に違和感を感じていました。その頃の私のマーケティングテーマが【普通】だったこともあります。「こだわり」という言葉が嫌いでした。正しい日本語は「こだわらない」だからです>笑)


この戦略はこんな感じでした。私の誤解もあるかもしれませんが、あえて印象・記憶のまま書きます。何せ古い話しなのでね。(新しいことは書きにくいし)


当時、上級小型車市場はトヨタのマーク?(及びクレスタ、チェイサー)の独壇場。
売れていた理由としては、「いつかはクラウン」というコピーに代表されるように、予定調和的にクラウンをトップとしたヒエラルキーが存在。セダン市場を S/M/L/LLへという上級移行で捉えた戦略(車種も販売店も)。分かりやすく言うと、カローラ→コロナ→マーク?→クラウンという買い替え。


で、上級小型車(Lクラス)の、このガリバー状態を切り崩すべく日産はシンフォニーLを展開。
マーク?というトレンド「センター」はゆるぎない。では、トレンド「セッター」たるべき個性のあるクルマで周りを固めようと。
1.スポーティの「スカイライン」(ターゲットはクルマ好きのおやぢとその息子)
2.伝統・正統の「ローレル」(一般的なファミリー向け、ヤンキー色は払拭したい)
3.アダルト(艶っぽさ)の「セフィーロ」(ニューファミリー・団塊世代向け)
4.機能合理・シンプルの「マキシマ」(???一言で言えないなぁ)


で、結果的にそれぞれの商品性以上に「キワモノ」に写ってしまったのかと。
少なくとも、「市場の一番大きいところを放棄してしまった」ということと、
「メーカーの考えるユーザー像をユーザーに押し付けてしまった」ということ、
なんでしょう。


各ブランドの【突然変異】を許していた状況から、【正常進化】の種となるべきDNAは抽出できたのかもしれませんが・・・・・・

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